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第161話  言葉にされた距離

last update publish date: 2026-09-21 19:00:08

会議室のドアが、静かに閉まった。

昼休み直前。

誰もいないはずの時間帯を、嵩が選んだ。

「……座ろうか」

そう言われて、朱里は頷く。

向かい合って座る距離が、やけに遠く感じた。

机の上には、何もない。

資料も、メモも、逃げ道も。

嵩は一度、息を整えるように胸を上下させた。

「昨日、話すって言ったこと」

「……うん」

声が震えなかったことに、朱里自身が驚いた。

嵩は目を逸らさない。

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